EN125-2A のインプレ(20000km走ってみて) ※2017/10/29 再編集
申し訳程度の説明
EN125は4st空冷単気筒エンジンを搭載したMT原2である
SUZUKIロゴであるが厳密に言うとスズキから技術供与を受けた中国の大長江集団という会社が製造している(中国の二輪製造においてはシェアTOPレベルらしい)。
ちなみに大長江集団とSUZUKIが共同出資して設立した会社で製造してるのが、私の大好きなGSR250を製造していたりします。
もともとGN125EというSUZUKI国産バイク(1982年~)があり、排ガス・騒音規制に対応できなくなってしまい、売り上げの減少もあって製造終了。国内製造途中、海外需要が高いことから中国メーカーへ技術提供しGN125H誕生、スポーツタイプの派生モデルとしてEN125誕生という地味に長い歴史あり、空冷シングルの枯れに枯れ切ったエンジンなので中国だからとあまり悲観的になることはないかと(ただし国内製造と比べエンジンに多かれ少なかれチャイナアレンジは入ってる模様)。
外観
道志ツーリングに行った際の写真で申し訳ないが全体像で言うとこんな感じ。
オーソドックスなネイキッドスタイルである(バイザー、ミラーは汎用品)
250ほどでは無いにしろ125には見えないくらいには大きい。
ご近所が写っていたので加工しました(雑)。
丸目一灯。海外向け車特有のクソデカウィンカー。
気持ち派手目に転倒したことがあるためか何かハンドルの垂が変、変じゃない・・・?
エンジン周り。非常にシンプル、空冷特有の冷却フィンがTHE・バイクな雰囲気で美しい。
規制が緩い海外向け(おもにアジア)車両のため未だにキャブ車だ。
キャブはMIKUNI製のものが付いている。
ちなみにGN125Hのエンジンをそのまま付けただけではなく、排気量は同じながらクランクケースから上のサイズが一回りほど大きい、ヘッドにカバーも付いている。
スポーツモデルとして出すにあたってより立派に見えるようにとこだわったのだろう。
気合が入ってる・・・さすがSUZUKI。
プラグケーブルはNGKパワーケーブルに交換。
リアから。タイヤはクッソ細い
リアサスはちゃんとプリロードの調整機構が付いている。
メーター周り。スピードメーター、タコメーター、オドメーター、トリップメーター、燃料計、そしてその間にあるのはギアポジションインジケーターである。
1~5速どこに入れているか表示してくれて初心者にはありがたい。
メーターは非常に充実している。
燃料計の精度は特に不満もなく実用的なものだった(個体差があるらしいが)。
マフラー。ステッカーはヤフオクで買ったやつなので気にしてはいけない。
普通の縦長マフラーで音もまぁまぁ悪くないので気に入っている。
他メーカーのプラスチッキーなマフラーと違いピカピカメッキでカッコイイ。
写真では取り外しているが、ちゃんとヒートガードが装備されている。
加速、最高速、巡航速度
発進加速は遅い。ライダーの技術、体重のせいもあるだろうが。
原2スクーターにはもちろん負ける。出足では4st50よりも遅い・・・かも。
一速はどんだけ引っ張っても20~25kmくらいしかでないので早めにシフトアップしよう。
1速がもう少し伸びるとストップ&ゴーが楽だと思うんだよなぁ・・・
最高速はメーター読みで110~120が限界だがメーターは大体10kmほど多い部分を針が指すため実際は100+αくらいだと思った方がよろしい。
と言うかそこまで回すとエンジンがすごい音と振動でビッグバン!。
巡航速度は60km~70kmくらいなら余裕。ドでかい道路でも安心。
70km~はエンジン君から頑張ってます感が伝わってくる。
とりあえず擬似高速道路みたいな道の右側車線をおもいっきり飛ばして走るみたいなことをしない限り十分に走ってくれる。
5速60kmで走るのが個人的に一番ちょうどいい。
制動力
フロントディスク、リアドラムブレーキとなっているがとりあえずちゃんと止まる。
前後ともに私は特に不満を感じなかった。
フロントキャリパーはGN125Hの1POTから2POTに強化されています。
足つき
当方163cmほどのクソチビであるが両足を地面に下ろすと足の前半分は接地するといった感じで非常に良い。
片足ならもちろん踵べったり。
ほぼすべての人が足つきで困ることはないだろう。
積載
自分の乗っている年式のEN125-2Aはリアキャリが存在しない(後継の3Fには付いている)。
なので積載力は0に近いが、タンデムシートが広いのでツーリングネットを使ったりホムセン箱を載せたりすれば可能性は無限大。
シート下は書類+α程度なら入る。
ちなみに、グラブバーにはキャリア取り付け用のネジ穴が存在しているので海外から輸入すれば取り付けは可能だ(ただし、本来テールカウルに穴をあけグラブバーとテールカウルで固定するのだが、テール内にそれらしきステーなど無いのでグラブバーのみで固定することになる。あまり重いものは載せないように)。
振動
かなりある。加速が悪い(高級MT原2じゃないので当たり前だが)のと並んでこのバイクで自分が欠点だと思うとこである。
5000まで強めの振動で6000~振動が細かくなって和らぐといった感じだろうか。
自分は乗っていると大体左手が痺れる。
燃費、航続距離
悪いところもあるが素晴らしい魅力もある。素晴らしい航続距離だ。
街乗り&往復150km以下のツーリングだと大体40km/L前後くらいだろうか。
だが往復で数百キロkm以上のツーリングになると45km/L前後まで上がる。
ちなみに燃料タンクは大容量14Lなので満タンで600km以上走る計算になる。実際に600km走ってさすがにヤベぇ!と給油したが1L以上残っていたことがありぶっちゃけ引いた。
この時燃費のことを考えて運転しておらず好きなように回して運転した上、キャンプ道具を積んで70kg後半(肥満)の管理人が運転したにも関わらずこれである。
家を出る前に満タンにすれば、ツーリング中にガソリンのことで心配になることは全くと言っていいほどない。
あ~もうこんな走ったか~ガソリン余裕だけどまぁぼちぼちスタンド探して給油しとこうかな~何てのんきな気分でツーリングできるのだ。
ヤマハYBRやホンダグロム等は普通に50km/L行ってしまうからとんでもないがタンク容量と相まってこれだけ燃費が良ければENも十分である。
余談だが街乗りばっかの時、社外フルエキ、ガバガバ燃調のため30km/L前半まで落ちた・・・
こんな時でもある程度の距離のツーリングに出れば安定して45km/L前後は走ってくれた。
航続距離だけなら高級アドベンチャーと肩を並べることが可能なのだ。
始動性、キャブの宿命?
基本セル1発です。冬はチョーク引いて上げたほうがいいですが引かなくてもかかるんで始動性は時期問わず良好。
ただし冬はちゃんとエンジンを暖めないとエンストする。
1速に入れるとシフトのショックでエンストする。
始動したらすぐ走り出し走行暖気派なので、冬場の始動直後は少しスロットルを開けながら一速に入れている。
あと、標高の高いとこに行くとパワーがガクッと落ちたり、アイドリングが落ちたり。おそらくキャブの宿命。
値段
自賠責3年込で20万いかないくらい。お安い。
総評
良いところ
・今は数少ないスタンダードな丸目1灯ネイキッド。シンプルな単色カラーリングでとにかくベーシック。この普通なデザインが良く買ったと言ってもいい。
・素晴らしい航続距離を実現するタンクと燃費。原2は維持費がかからず良いと言われるが一番それを実感するのはやはり燃料の持ちが良いところ。ツーリング中ガス欠の恐怖を感じることはまずありえない。
・中国製ながら各部特段悪いところは見当たらなかった。良く心配だと話題に上がるゴム部品も 2年以上乗って特にこれがヤバいなんてのもなかった。すぐダメージが出そうなFフォークのダストシールもひび割れが起きなかった(シリコンスプレーなどで保護することなく)。
それと全体的に安っぽさが感じられないと個人的には思った。
タンクの塗装が顕著で、鮮やかでしっかりとした塗装がしてあり非常に好感が持てる。
・とにかく金のかからない乗り物である。
消耗品各種安い。
・SUZUKIなとこ。SUZUKIなだけで最近やる気が出る(病気)
悪いところ
・振動、加速性能の悪さ、自動車道に乗れないので長距離だとワープが使えない。
こいつでツーリングするのは体力がいる。
・部品の取り寄せに時間が掛かる。過去に日本で発売していたGN系の純正部品の流用が効くところが多数あるのだが面倒な部分はそれなりに時間がかかる。
変な部分壊さなければ調べると他車パーツを流用しているオーナーが多数いるのでなんとかなるか。
・基本的には買った店以外見てもらえないと思った方がいい。中華非正規輸入バイクなんでSUZUKIの保証とかも存在しない。とは言えそんなにやわなバイクじゃないのであまり不安になることはない。
・標高の高い道では非常に元気がなくなってしまう、キャブ車ゆえか。
峠の上りはかなりつまらない。
足に原2ほしいけどスクーターじゃ味気ないからMTの原2が欲しい、多少ツーリングとかもやるかな?、セカンドに検討してる、な人には大いにおすすめ。
初バイク(足じゃなくて趣味として)に欲しい、めっちゃツーリング行く、な人は疲れることを覚悟で。
上記の乗り方なら250は欲しい。
あと観光道路とかも原2だと走れないところが多々ある。
航続距離がすばらしく、とにかく金がかからないため、疲労覚悟ならぜひ。
年齢によっては保険がクソ高いのでファミバイが使えるのは若者にとって大きなメリットだろう。
ちょっとコンビニへ~荷物満載数百kmのキャンツーまで、元気にエンジンをブン回して心おきなく遊べ、幅広い用途に使える。
良い意味で「最高に楽しいおもちゃ」
EN125-2Aはそんなバイクだ。
ということで20000km乗っての淫プレッションでした。
最後に、思った以上に多くの人が記事を見てくださっているようで大変恐縮です。
最初にこの記事を投稿した当時は走行距離7000kmでしたが、走行距離は現在20000kmを超えました。
大きなトラブルも無く楽しく遊ぶことができました。
もっと沢山の人に中華原2の魅力が伝わればいいなと思います。
ご覧いただきまして、ありがとうございました。
何かあればFF外からお気軽にお声掛けください。
まぁ、ENはもう別の人に売っちゃったんですけどね、初見さん。